ある日、俺は夢を見た。
綺麗な淡いピンクの中で、白いワンピースを着た黒い髪の長い少女と出逢った。
俺は、夢だと信じたく無かった。
俺は、何よりも"あの子に逢いたい"と、願っていた。
でも、俺は知らなかった・・・否、誰も知らなかっただろう。
その子が俺と出逢う何て・・・手の届かない人種何て。
誰も知る筈が無かったんだ。
俺がその少女と出逢ったのは、正しく夢の中と同じ・・・
綺麗な淡い桜の中で、白いワンピースを着た・・・
夢の中で出会った少女だった。
その少女は、桜の木を見て微笑んで何か話していた。
その言葉は小さくて・・・風によって俺の耳に入る事は無かった。
その少女は、まるで何かの生き物と会話をしている様で
不思議な雰囲気を醸し出していた。
その次の日だった。彼女は、俺が一人暮らしをしている
某アパートに一人で引っ越して来たのだ。
夢かとも思った・・・否、夢だと思っていた。
けれど・・・それは夢では無く、現実だった。
俺は、嬉しいと共に悲しかった。
何でも、その少女・・・百合華ちゃんは、早くに両親を亡くし
その後、一人で暮らす様になったと言う。
だから、また直ぐに引っ越すかも知れないし
5年も10年も、居るかも知れないらしい。
逢わなければ、夢で居られたんだ。
けど、逢ってしまったら・・・
離したく無くなってしまう。
逢えて・・・嬉しかった。
でも、別れもある。
だから、俺は複雑な気持ちになった。
けど・・・、きっとその時の俺は多分・・・
"嬉しい気持ち"が、一番だったと思う。
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